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2024年10月10日

グローバルエコシステム パートナー インタビュー01 「アンカー神戸」

神戸市で海外企業が成長するためのサポートが充実。

日本進出への架け橋となるビジネス交流拠点「アンカー神戸」

 

中小企業やベンチャー、成長企業のマーケティングを支援するハイブリッドマーケティングのサービスに、「グローバルエコシステム」があります。これは、これまでのマーケティング支援で培った実績と経験を活かし、日本市場への進出を目指す海外企業や、日本から海外市場へ進出する企業に対し、マーケティング支援の前段階にあたる拠点の確保や人材、会計といった難易度の高い課題を包括的に支援するサービスです。

 

この課題を解決するためには、高い専門性を持つパートナー企業や専門家ネットワークが欠かせません。今回訪問した会員制ビジネス交流拠点「アンカー神戸」も、重要なパートナーの一つです。同施設のゼネラルマネジャーである篠原佳也さんに、事業内容や海外企業の受け入れ、神戸の魅力について、お話を伺いました。

篠原佳也さん

神戸新聞社 神戸新聞地域総研地域連携部/編集委員/ビジネス交流拠点「アンカー神戸」ゼネラルマネジャー

 

人との交流と専門家によるサポートが日本でのビジネスチャンスを創出


 

──まずは、アンカー神戸について教えてください。

篠原佳也さん(以下、篠原) 2021年に神戸市が開設し、神戸新聞社と有限責任監査法人トーマツが運営する会員制のビジネス交流拠点です。2024年5月1日現在の会員数は286。スタートアップから地元の中小企業、大手企業、自治体や大学、学生、個人のフリーランスまで、さまざまな方々が利用しています。

アンカー神戸の会員同士をおつなぎするほか、会員がホストとなり協業提案を受ける「会員デーイベント」を設けるといった活動を行っています。また、会員の課題に応じて、ビジネスモデルや販促などの専門知識を持つメンターを紹介し、ビジネスの成長をサポートしています。

ハイブリッドマーケティング代表の徳山もメンターとして、課題解決プロジェクトなどに関わっている

 

──日本市場への進出を考える海外企業が、アンカー神戸を利用するメリットは何でしょうか?

篠原 一つは情報発信です。アンカー神戸には神戸新聞の記者をしていたスタッフが在籍し、メディアに取り上げられやすいニュースのネタや、プレスリリースのノウハウをアドバイスしています。この3年間で、アンカー神戸に関連する記事は200本以上を数えます。また、「メディアミートアップ」と言って、会員の記者発表とメディア関係者の交流会を開催することもあります。メディアに取り上げられることで、企業の信用力が上がり、インターンや採用にもつながると会員から喜ばれています。

特に海外企業なら、神戸で事業をスタートさせるというだけでニュースバリューがあります。アンカー神戸の会員になれば、課題解決プロジェクトを利用し、メンターとともに半年かけてビジネスの成長を加速させたり、他の会員企業と新規事業を創出したりすることができます。その過程でニュースバリューが生まれれば、新聞やメディアに売り込むことも可能です。

 

──神戸市、神戸新聞社、監査法人トーマツは社会的にも信用力があり、それぞれのネットワークを自社のビジネスに活かせるのも魅力ですね。

篠原 はい、その通りです。10数人規模のイベントにも注力しています。名刺交換だけで終わってしまう大規模なイベントとは違い、濃いつながりをつくることで、コラボレーションや事業の成果を生み出すことを目指しています。

ピッチイベントの登壇や企業との協業など、さまざまな機会を提供しているのも当施設の強みです。また、会員のニーズを丁寧にヒアリングし、必要と思われる方々をご紹介するので、まるでお節介な仲人のようだと言われます(笑)

 

──海外企業が日本市場に進出する際、母国語と日本語を話せるスタッフや営業代行などの確保が課題として挙がります。こうした人材のバックアップもしていただけるのでしょうか?

篠原 確実にご紹介できるとは言えませんが、神戸市や神戸商工会議所も会員ですので、そのリソースやネットワークを活用できそうです。アンカー神戸だけでなく、親身になってくれる方も多く、ミートアップなどで悩みを相談してもいいかもしれませんね。実際に、インターンや営業代行が見つかったという話も聞いています。

会員には、スタートアップのIPOを支援する会計士もいますし、日本市場進出のハードルとなりがちなファイナンス、法律、マーケティングといった分野でも、アンカー神戸のネットワークを通じて適切な専門家をご紹介できます。金融機関と会計士のどちらに相談したらいいのか分からないといった初期段階の悩みも、アンカー神戸にご相談いただければ、なにかしらの見通しや解決策が見つかるはずです。

 

──何か困りごとがあれば、まずアンカー神戸に相談したらいいと言うことですね。

篠原 はい。会員になっていただければ、最初にヒアリングを行い、お困りごとに応じた対応をいたします。単に企業を紹介するだけではなく、お客さまの目的を理解し、仮説を立てながらご提案することがアンカー神戸の役割です。「この企業とつながったら、きっと面白いのではないか」といった観点からもご提案しますので、気軽にご相談ください。

 

日本でのビジネスを成功させる”神戸ではじめる”という戦略


 

─神戸市で事業を行うメリットは何でしょうか?

篠原 神戸市の新産業創造課の専門官らからサポートを受けられるのが、大きなメリットの一つです。専門官たちは、海外スタートアップの誘致、国内スタートアップの育成、エンジニアや学生・女性の起業支援、スタートアップと地元企業のオープンイノベーションなど、多岐にわたる事業を担当し、アンカー神戸とは異なるネットワークやスキルを持つスペシャリスト。専門官とつながることで、ネットワークが飛躍的に広がるはずです。

神戸市のスタッフは非常に親身に対応してくれます。自分たちのネットワークを駆使し、営業先やコラボ先など、海外スタートアップが成長できる企業や施設を紹介してくれます。さらに、神戸市の事業に参加できるチャンスもありますし、条件次第では助成金や補助金の紹介やアドバイスを受けられるため、ビジネスの初期段階で大いに役立つと思います。

神戸市は外国人起業家へのサポートが充実していて、最大1年間の在留資格を認める「神戸市スタートアップビザ」も提供しています。ライフサイエンスや気候変動などに特化した海外スタートアップを招いたピッチイベントも開催し、これらに登壇するチャンスもあり、神戸市による幅広いサポートがビジネスを後押ししてくれます。

 

─神戸市は他の都市と比べ、早くからスタートアップに力を入れていましたね。

篠原 はい。神戸市と神戸新聞社は、2015年に「神戸スタートアップオフィス」を設立するなど、他の都市に先駆けてスタートアップ支援に取り組んできました。現在もその姿勢は変わらず、国内でトップを走っている印象があります。最近は、特に海外にも力を入れており、日本にない技術を持つ海外企業と地元企業をつなぐことで、神戸の活性化を目指しています。

多くの海外企業は、日本市場進出にあたって東京を選ぶことが多いようですが、競合も多く埋もれてしまうことも少なくありません。神戸なら海外企業の数が少ないため注目度が高く、さまざまな行政支援も受けられます。まず神戸や関西でビジネスの基盤を固め、その後、東京に進出するというルートも十分に考えられます。行政や地元企業、メディアとの距離が近い神戸の方が、成功の確率も上高まるのではないでしょうか。

 

─最後に、日本市場に進出を検討している海外企業へメッセージをお願いします。

篠原 日本でビジネスを成功させる近道は、神戸にあると考えます。神戸市も海外企業への支援を進めており、アンカー神戸の会員をはじめ、さまざまなサポートが期待できます。ハイブリッドマーケティングさんもメンターとして会員企業へマーケティング支援をしていただいていますし、財務や人材、ビジネスモデルの構築など、ビジネスの展開がこの神戸で完結できる環境が整っています。

神戸は海も山もあり、住むのにも気持ちのいい場所です。満員電車もありません。古くから港町として栄え、新しいものを受け入れる文化や気質があります。あとは、神戸ビーフが海外より手頃な価格で食べられるのも魅力ですね(笑)。

アンカー神戸の開設から3年がたち、紹介できる企業なども飛躍的に増えました。些細な困りごとでも構いませんので、気軽に相談いただければと思います。

 

 

アンカー神戸


神戸市が開設し、神戸新聞社とトーマツが運営する会員制ビジネス交流拠点。スタートアップ、神戸医療産業都市進出企業、ものづくり企業、起業家、学生らが交流し、イノベーションを起こし、ビジネス成長や新規事業をサポート。阪急神戸三宮駅直結とアクセスがよく、神戸の街並みを見渡す眺望も好評価。

https://anchorkobe.com